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Florence hymns candle

Author:Florence hymns candle

Florenceこと、國領眞帆の主宰する
アートキャンドルとキャンドル教室のお店です。

2010年、キャンドル教室を開校。
以来、オリジナルのキャンドル演出によるブライダル等、イベントも手掛けている。

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ラーニングコース '16年1月生募集中

一回完結型の誰でも参加できるワークショップをはじめ、技巧習得を目的としたラーニングコースなど、目的に合わせてキャンドルづくりをお楽しみいただけます。

ワークショップでつくるアイテムは、毎月変わります。
その月のアイテムは、このブログにてお知らせしています。
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florence✿蝋燭のお噺し(おはなし)

 「赤い蝋燭と人魚」

 北方の冷たい海は、それはそれは青うございました。
なにも、人魚は南の暖かい海にだけ住んでいるのではございません。MP900403871[1]_convert_20110207155006


妊婦(みおも)の女人魚は、暗く冷たく、気がめいるほどに波高くうねる夜の海を、この上なく淋しい心持で眺め、せめても、生まれてくる子供は、誰と口をきくことも無いこんな暗い海の底ではなく、明るく賑やかな陸(おか)の上で、心優しいと伝え聞く人間に育ててもらいたい。

 この魚の鰭(ひれ)以外は、人間(ひと)と何も変わらぬ我らだもの、人の世界で暮らせぬ訳は無い・・・・。

 そう考え、遥か岬に小高く突き出た山の上に、祀られた小さな社めざして泳ぎ、そこで、女の児(おなごのこ)を産み落としたのでした。

 そのころ、社の下で、年老いた夫婦が、
夫がこさえた蝋燭を妻が店で売って暮らしを立てておりました。
その日、婆は、
「こうして、自分達が生きて行けるのも、岬の上に神様がおわし、そのお参りの蝋燭が売れるからだ。なのに、あまりお礼にも行かぬのは罰当たりな話であるから、これをついでに行ってこよう」

 そう考え、社へと足を運んだ、月明かり明るい夜に、石段の下で泣く赤子を見つけ、
こんな晩に、見つけた赤子は、神の授け児(ご)に違いないからと、夫婦で話し合い、この子を育てる事にしたのでございます。

 月日が流れ、黒髪長く瞳輝く優しい娘は、美しく育ちましたが、人と違う自分の姿を恥じて、人前に出る事はありませんでした。
 
 そんな娘でしたが、いつの頃からか、爺の作る蝋燭に、誰教えたでもなく、それは美しい絵を付けるようになりました。
 自分を育ててくれた夫婦に、恩返しが出来れば・・・美しい絵を描いた蝋燭ならば、皆が欲しがるに違いない。
そう考えてのことでございました。

 赤い絵の具で、貝や海星(ひとで)、海草(うみくさ)のようなものを描いた娘の美しい蝋燭を誰もが欲しがりました。
それだけでなく、その蝋燭を社に奉納し、燃え残りを身に付けた船乗りは、どんな嵐でも命を落とす事がありませんでした。MP900438801[1]


 噂を聞きつけ、朝から晩まで、遠方からも店先には娘の蝋燭を求める客が押し掛けるようになりました。
 寂しかった社も人で賑わい、皆が有難い神と崇め、その名を高めました。

 しかし、疲れ果て、痛む手を堪えても一心に、
「人ならぬ私にも情けをかけ育ててもらったのだもの」
と絵を描く娘の事を思うものは誰ひとりなく、可哀そうに思う者とていなかったのでございます。

 ある日、どこからか、娘の美しさと、それが人魚であると聞きつけた人買いが現れ、老夫婦に娘を買いたいと言って参りました。
 最初は、この子は神からの授かり児だからと、断っていた夫婦も、人買いの差し出す大金に心が動き、人魚は不吉なものだからという言葉に乗せられ、娘を渡す事を承知してしまったのでございます。
「どうか、私を見知らぬ地へなど売らないでください。どんなにも働きますから・・・・!」
そんな娘の哀願も、すでに鬼の心となった夫婦には聞えません。

 急き立てられ、手にしていた蝋燭に絵を付ける暇さえ与えられず、ただ赤く塗っただけのそれを形見のように残し、豹や獅子を入れたこともある檻に入れられ、優しい人魚の娘はどこともなく連れて行かれてしまったのでございます。

 ある晩、トントンと戸を叩く者があります。
 髪の長い女が立っておりました。
夜更けではありましたが、商いに貪欲な婆は蝋燭を求められたので、女を招き入れました。
しばらく、女は、あの赤い蝋燭にじっと見入っていましたが、銭を渡してそれを持って去りました。

いぶかしく思った婆が、戸口から去る女を見ると、月明かりに照らされた女の長い髪は、びっしょりと濡れていました。
 あわてて銭を調べると、それは皆、貝殻だったのでございます。

 その夜、晴れていた空が、瞬く間に曇り、言うも恐ろしいような嵐が起こりました。
多くの船が沈み、幾人もの船乗りが命を落としたのです。

 それ以来、岬の社に赤い蝋燭が灯ると、たちまち海は荒れ、船が沈み人が命を落としました。

 誰が上げるのか、社に赤い蝋燭が毎晩灯ります。

 夫婦は、己の罪を恐れ、蝋燭を売る事をやめてしまいました。

 そして、いつしか赤い蝋燭は不吉と人の口に登るようになり、そのあたりも錆びれ、社も人が寄り付かず朽ちて行きました。

 海の遥か沖合から、ゆらゆらと灯りが岬へ向かって行くのを見たというものもあったと聞きます。

 哀しい娘の、人魚の、御噺しでございます・・・・・。
和蝋燭②




 
※これは大正10年に小川未明が発表した作品です。今回、私が記憶をたどって文を作ったものですので、細かい個所に差異が生じているかもしれません。ご承知おきください。

 ちょっと長く読んでいただきましたが、如何でしょうか?
皆さんはこのお話を知っていますか?童話というには、とても深い人間の淵を見るようではないですか?

今日、皆さんに知っていただきたいのは、フォークロアに込められた人間の淵についてです


 
   昨日、私の自宅でキャンドル教室が催され、
このブログにコメントをくれる仲間が集まりました。

 お教室の後は、リストランテ・プラセールで美味しいイタリアンをいただきながらの女子会だったのですが、
以前の記事で、お伽噺のエピソードを書いたのが、どうも、「夢見るオトメ」でいてください的な受け止め方をされたようでして・・・・

 勿論ね、夢の世界を持ってるのは素敵な事だと思います
 それも、女子たちに提案したい事のひとつではあるのですが、ディズニーに作り変えられた夢物語でない、本当のフォークロアや、グリム、アンデルセンなどのお話は、もっともっと生の人間模様で、時には恐ろしくさえあります。

 男女にしても、生々しい本性で語られているのです。
そこに、自分の中にもある、欲やエゴや、残酷を見たりするのです。
そして、その中に、一点、輝く真実や、愛をも見ます。
 人生が都合のよいハッピーエンドで終わるものではない事や、清らかなものが屠られていく不条理、そんなものも知ることとなります。

 今日のこの御話しは、ネェさんが小学生の時に初めて読み、子供ながらこの、「陰」の世界観に衝撃を受けて忘れられなかったものです。
他の姫様物語とは違う、読むと肌がそそけ立ち、哀れに身が揉まれるような気がする物語で、
西欧には無い、日本特有の、男海(おうみ)と呼ばれる、日本海の暗い海の色のような、湿った重さを感じさせるものなのですが、女子たちが知らないというので、載せてみました。

 florence hymns candleで作る、キャンドルもアファメーションキャンドル=願いをかけるキャンドルであり、
このお話も、蝋燭に祈りを(良き願いも、返す刀で恨みも)籠める話しでもあるので題材にしてみました。

 嫌だ!こう書くと、ウチのキャンドル呪いのキャンドルみたいに読めるね!違いますからね!ウチのは聖なる、幸せを誓うキャンドルですよ

 でも、一言に「誓願」と言っても、幸せの誓いもあれば、復習を誓うようなネガティブなものもあるのです。
いづれにしても、それらは自分に帰ってくるものと言う事を、心しておかなければいけません。
 

 今日の御話しの中には、嘆き、憧れ、欲や徳、異形の者に対する恐れと偏見、そして、因果と、念、自分に与えられたもの・・・様々な霊訓が含まれています。

 くどくどしい解説はしませんが、皆さん、心で何を感じたか味わってみてください。
私は、物語、特にフォークロア(民話)と言うのは、先人達のメッセージであると思っています。

 お伽噺でなくても、映画でも、オペラでも、日頃、忙しい人ほど、ちょっと時間を作って触れてみてはいかがですか?
心が、いつもと違うものをキャッチしたりします。それは、とても大切なものと、florenceは思うのです

テーマ : スピリチュアル - ジャンル : 心と身体

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